印刷会社における化学物質のリスクアセスメント④

有機溶剤は次々と改善されより安全なものが出てきます。しかし、それは洗浄力が落ちたり、使用量が増えたり、価格が上がったり、作業効率が下がるなど、なかなか代替品を探すのは大変で時間と労力を費やします。でも本当に大切なことは、同じ職場で働く仲間の健康を守ることです。そのためには、常により有害性の少ない有機溶剤を探すことを怠らないようにしています。


まず始めは当時の使用していた有機溶剤を洗い出してみました。
上の表が10年前の化学物質管理表です。ここで大事なのは、過去の使用履歴が残る
管理をしていくことです。

新しい有機溶剤に代替したり、法規が変わったりなどすれば化学物質管理表を更新しました。新しい設備が入れば当然、使用する有機溶剤も変わることがあります。
しかし、過去に使用した有機溶剤の履歴は必ず残すようにしてきました。

その結果、当社の化学物質管理表は10年間で改定21版になりました。

そして、今では有機溶剤の保管量も消防法に遵守し管理しています。

新しい有機溶剤を使用するとき、忘れていけないのは必ずリスクアセスメントを行い
リスクアセスメント実施一覧表の更新をすること、SDSの読み合わせをすることです。

上の表は初めの頃の有機溶剤のリスクアセスメント実施一覧表ですがこれも、更新を続けましたが、これはあくまで作業に関するリスクアセスメントでした。

最新版では日印産連のリスクアセスメントをモデルとして化学物質に関するリスクアセスメントを自社に合うようにアレンジして行っています。
現在、使用しているものも、絶対に安全なものはありません。後になって危険性がありましたということも出てくるかもしれません。
私たちが出来ることはSDSを理解し、正しい使い方をすることだと思います

新しくホリゾン製の折り機を導入しました

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昨日、7月15日の大安にホリゾン製の折り機を搬入しました。工場内に入れて30分経つかどうかで突然のゲリラ豪雨が・・・ もう30分、搬入が遅かったり雨が早かったらと思うとゾッとしました。これも導入に関わって頂いたすべての方々の日頃の行いの良さでしょうか?何より無事に搬入されました、ありがとうございました。
本日、7月16日は七色の日とか虹の日などと言われます。印刷会社で働くものとしますと職業柄、すぐにカラー印刷が頭に浮かんでしまいます。当社には七色の日が誕生日の社員がいるようです。印刷から離れて終日、折り機のインストラクションを受けました。展示会で見たことはあっても実際に触ってみると驚くことばかりでした。

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折形設定、ナイフガイド、ローラーギャップなど今まで手動で大変だったものがタッチパネルに入力するだけで時間と労力を使わずにセットできます。あとは微調整だけという感じです。

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パートさんも積極的にインストラクションを受けていました。安全対策もしっかりされていて、ローラー巻き込まれなどのリスクもなさそうです。しかし新設備が導入されたら必ずリスクアセスメントをすることをいつも教育されています。今でもパートさんが大活躍の工場ですが今後、さらにパートさんの活躍の場が広がりそうです。私たちも負けてはいられません。今まで社内で出来なかった難易度の高い折りができる機械です。来週からまた新しい挑戦が始まります。

印刷会社における化学物質のリスクアセスメント③

化学物質を取り扱うにおいて忘れてはいけない大切なことは法規要求事項の遵守です。当時、私たちが知らなかったこと、守れていなかったところの話です。

1.半田医師会健康管理センターの作業環境測定士による作業環境測定を実施しました。
 第2種有機溶剤、当社であればジクロロメタン、IPAを使用していたため半年ごとの
 作業環境測定をする必要がありました。

2.有機溶剤作業主任者講習の受講と主任者の任命
 当時、一人も受講したものがいませんでしたがこれをきっかけに毎年のように
有機溶剤を扱う者が受講し修了しています。

3.工場内に有機溶剤に関する注意表示をする。

現在、黄色の第2種有機溶剤等の表示は外してあります。今になって思えば黄色の看板を取り付ける前に第2種有機溶剤の使用やめることの方が大事なことでしたね。
当時のことを振り返り、自分にとっても復習になりましたが本当に大切なのは、
この先の定着させるための管理だと思います。次回は定着、管理、アップデートなどについての話をしたいですね。


印刷会社における化学物質のリスクアセスメント②

まず、勉強会で得た知識により報道前の活動から始めたいと思います。化学物質を取り扱うにあたり、大事なことはSDSを理解すること、そして正しい管理をするため法規を理解することです。そのあとに次の段階へ進みます。

そして当時の現状を整理し、チェック表を作成しました。

そして、チェック表を元に改善を進めていくことにしました。
 1.化学物質のリストを作成する
 2.溶剤の揮発を極力抑える
 3.ジクロロメタン含有の洗浄剤の代替品を探す
 4.法規要求事項を遵守する
 5.ジクロロメタンを含まない洗浄剤に変更する

まずは当時、使用している、過去に使用していた化学物質のリストを作成しました。
下の表は当時のリストの一部を抜粋したものになります。

溶剤の揮発を極力抑えることに関してはすぐにできることから始め、使用済みのウエス、インキの残肉、小分けして使用していた洗浄剤の容器に蓋をすることを徹底しました。

ジクロロメタン含有の洗浄剤の代替品を探す(当時ジクロロメタンは第2種有機溶剤)
顧問から指摘を受けたとき、ジクロロメタン含有99%の洗浄剤を使用していました。
サンプルテストを何度か繰り返しましたが乾燥不良、臭い、価格、消防法などの色々な問題があり結果、ジクロロメタン含有50%、ミネラルスピリッツ含有50%の洗浄剤を使用していくことにしました。とりあえず以前より安全な代替品を探したことに満足してしまいました。ここが反省がすべき点でしたね。この辺りの活動中に1,2ージクロロプロパン、ジクロロメタンに発がん性の疑いがあるという新聞報道があり、ジクロロメタン含有の洗浄剤の使用をやめ、法規要求事項の遵守へと進めていくことになります。

次回は法規要求事項の遵守作業環境測定の実施などの話をしたいと思います。

印刷オペレーターが刷版出力。無処理版導入のメリットデメリットとは。

無処理版とは現像処理を印刷工程の前に行わなくても良い刷版のことです。
この無処理版、10年以上前から出ていましたが最近、急速に導入する会社が増えてきているようです。出始めた頃はトラブル、問題点をよく耳にすることがありました。
10年以上経った今、現状はどうなのでしょうか?
私たちも導入の際、印刷物や印刷機に不具合が起こらないか、カラーマッチングは大丈夫か?と不安要素はたくさんありました。なので導入が決まってから特にトラブルに対しての情報収集に力を入れました。刷版メーカーさんに立ち会ってもらいテストも何度か行いました。。メリット、デメリットを調べるといろいろ出てくると思いますが私たちの経験した現状を挙げたいと思います。

メリット
  ・現像液を使わないので廃液が出ない
  ・現像装置のメンテナンス、清掃作業がなくなる
  ・現像工程がない分、刷版出力の時間が短縮される
  ・版キズが付きにくい
  ・網点がシャープに出る
  ・機上現像なので印刷機の状態不良に早く気付くことができる

有処理版                    無処理版

デメリット
  ・上の写真のように視認性が悪い
  ・刷版代が若干、高くなる
  ・機上現像のため、ヤレ紙が若干、増える

という感じですが実際に作業してみると圧倒的にメリットの方が多く、デメリットは余り気にならなくなりました。コスト面では刷版代が若干、高くなっても現像液代と廃液の処分代の方が高かったので抑えることができました。廃液が出ないので地球環境、SDGsにも貢献できます。あと現像液のメンテナンス、清掃作業がいらないというのは印刷オペレーターが扱うには大変メリットがありますね。印刷オペレーターは印刷機のメンテナンスという大事な役割を持っているわけですので今まで通りそちらに集中することができます。ただ、最大のデメリットは視認性の悪さです。これはどうにもなりませんが、無処理版になってから視認性が悪いがために版をよく確認するようになり刷版の付け間違いが、かえって減りました。デメリットが良い方に転んだ感じですね。というわけで今のところ順調立ち上がっている状況です。

無処理版を導入予定の印刷会社様の工場見学

そして、無処理版を導入して1年足らずで刷版メーカーさんからの依頼により上手く立ち上がった良い事例として2社、見学に来て頂きました。私たちも情報共有の場としてまた勉強させて頂くチャンスと捉えて積極的に見学に来て頂いています。
これからも印刷技術を磨き、しっかりと設備を維持管理し、また刷版メーカーさんより依頼されるような工場であり続けたいですね。